2019/4/21「事業計画をシステム思考の視点で考えてみよう」

第3回目の今回は、有限会社イーズ代表取締役・大学院大学至善館教授、枝廣淳子さんをゲストにお迎えし、システム思考やメンタルモデルの概念を事業構築や日々の生活に取り入れる方法と、自分の考えをうまく周囲に伝えるためのコミュニケ―ションについて学びました。

 

タイムライン

10:30 自己紹介、前回の振り返り、今回のゴール確認
10:45 ワーク①:次に進むために、何を創り出す・乗り越える必要があるか?
10:55 全体で結果共有
11:00 レクチャー:システム思考とは
11:40 ワーク②:自分の事業計画をシステム思考の視点で考えてみる
12:00 全体で進捗共有

12:05 昼食

13:00 ワーク②続き
13:20 ペアになり結果共有
14:00 ペアワークの感想共有
14:10 レクチャー:メンタルモデルとは
14:30 レクチャー:行動変容を促すコミュニケーションとは
14:50 全体の振り返りと感想共有
15:00 次回案内、終了

 

受講生の簡単な自己紹介を終えた後、早速枝廣さんのセッションがスタート。
まず「次に進むために、何を創り出す・乗り越える必要があるか?」各自で考えました。
その結果を全員で共有し、各自の置かれた状況をお互いに理解したうえで、レクチャーに入りました。

 

 

誰しも、問題や課題に繰り返しぶつかったり、なかなか解決できなかったりした経験があるのではないでしょうか。
そうした時に、この連鎖は「自分がダメ人間だからこうなってしまうのだ」「あの人がこうしてくれないからいけないのだ」と、特定の人物に原因を求めるのではなく、「自分や相手が置かれている環境(構造)に問題があるのだ」と考え分析していくのがシステム思考です。

あらゆる現象は、目に見える要素・見えない要素がいくつもつながり合うことで生じています。目の前に見えている一側面がすべてだと捉えるのではなく、その背景にあるつながりまで把握することで、本質的かつ包括的な解決策を導きやすくなります。
また、自分や相手など特定の人物を責める必要が少なくなるため、課題解決にあたりメンタル面の負担を軽減することができます。
こうしたシステム思考はビジネスだけでなく、日常生活などあらゆる面で役立ちます。

 

 

要素のつながりには、同のつながり(Aが増えるとBも増える)と、逆のつながり(Bが増えるとCは減る)の2種類があります。
これらのつながりを表した図をループ図と呼びます。ループ図を描くことで、目の前の事象をどのように捉えているかを複数人で共有することができます。

複数の要素が影響を及ぼし合いながら(つながりながら)一つの事象を引き起こすことを体感するため、受講生全員で輪になり、例題を用いてシステム思考を学びました。

 

 

このシステム思考は、まちのビジョンを策定する際にも活用されてきているとのこと。その先進例の一つ、島根県海士町の事例をご紹介いただきました。

ここまでシステム思考の概念を学んだところで、受講生自らループ図を描くワークに取り組みました。
冒頭に挙げた「自分が次に進むために創り出す・乗り越える必要があるもの」に対して、それを増やす(減らす)ものは何か?また、それが増やす(減らす)ものは何か?を考え、それらをどんどんつないでいきます。

お昼休憩を挟みつつワークを行った後、ペアになって結果を共有し、お互いに気づいた点をフィードバックし合いました。

 

 

自分が「創り出したいもの」が実は意外なものから影響を受けていることに気付いたり、課題へのアプローチのとっかかりを掴むことができたり、人の感情が大切だということに気付いたり、自分の目指すゴールを再認識し、そこに関わる要素の関連性を可視化することができた時間となりました。

 

ループ図が描けたところで、もう一歩踏み込んで考えるヒントとなる概念「メンタルモデル」についてレクチャーしていただきました。
物事の捉え方にはどうしても自分の思考のくせが影響してしまうものです。このくせを生み出しているのが、深層心理にある意識・無意識の思い込み、すなわちメンタルモデルです。メンタルモデルが異なると、取る行動も異なってきます。時には、周りがそう意図していなかったとしても、本人は「こうならなけばならない」という思い込みに苦しんでしまうこともあります。
自分の中にどんなメンタルモデルがあるのかを理解しておくことは、目の前の事象をどう捉えるか、ひいては困難に直面したときにどうポジティブに対処できるか、どう毎日や人生をより一層楽しめるか、といったことに繋がってくるのです。

 

 

最後のレクチャーは、行動変容を促すコミュニケーションについて。
単に情報を伝えるだけでなく、人々の行動変容を生み出し、世の中に変化を生み出すコミュニケーションとするためには、自分の働きかけによって誰の何を変えたいのかを認識することが大切です。さらには、人が行動を起こすまでに踏むいくつかのステップのうち、自分の働きかけによって相手をどこからどこへお連れしたいのかを認識することで、より効果的なアプローチができるようになります。
良いことをしていれば自ずと通じると考えたり、単にアピールしたりするだけでは、人々の行動に変化を起こすことは難しいのです。
伝え方を自分自身で鍛え、高めていくことも重要です。そのヒントまで伝授していただきました。

 

時間が許すものならばまだまだお聞きしていたいところでしたが、ここでタイムアップ。
最後に、今日学んだシステム思考やメンタルモデル、コミュニケーションの概念を自らの事業にどう活かせそうか、一人一人の感想を共有し、セッションは終了となりました。

受講生の現状や悩みに合わせて柔軟にトピックを加えていただきながら、事業だけでなく日常生活にも当てはめることができる概念についてみっちりと学んだ一日でした。

fin.