2019/5/25 「なぜ南三陸で事業を行うかを考え、ビジョンを磨く」

第4回目のsessionsは、入川スタイル&ホールディングス株式会社代表取締役、入川秀人さんをメンターとしてお迎えし、受講生2名のメンタリングを行っていただきました。

 

タイムライン

10:00 受講生自己紹介、今日の流れの説明
10:15 事業説明1、入川さんQ&A
10:35 事業説明2、入川さんQ&A
11:00 入川さんフィードバック
11:30 参加者全員で意見交換
12:20 昼食
13:30 入川さんフィードバック(続き)
14:30 今日の学びのシェア

 

冒頭10分間ずつの事業説明を終えた2人に対して、「事業を説明するときには、①想い、②マネタイズプラン、③エビデンスの3点をきちんと伝えることが必須」との入川さんのコメントからセッションは開始しました。

特に「想い」の部分が伝わらないと、どれだけ綺麗なマネタイズプランが描けていても、人はなかなか耳を傾けてくれません。この事業を立ち上げたいと思うに至った原体験、身の回りにある解決したい課題や活かしたいリソースなどをきっちり言語化し伝えることが大切です。入川さんはQ&Aを丁寧に繰り返し、2人の「想い」を深掘りしていきました。

 

 

また、どうマネタイズするか、どう事業に関わる地域の担い手を増やすかが課題だという受講生に対して、「事業の立ち上げに挑戦すると、時に目の前の課題やリスクが大きく見え、一歩踏み込んだ行動を起こすのをためらってしまうこともあるけれど、課題は頭の中では解決せず、やってみて解決するものだ」と入川さん。

自分の事業に対する「想い」を、何か小さなアクションでも良いので実践し、周囲の人々に直接的なイメージとして示す。そしてそれに対する反応を捉える。その一つ一つのアクションが何よりのエビデンスになり、その積み重ねが自分の事業を応援していただけるコミュニティの形成や資金獲得に繋がってくるのだと言います。

 

午前中の最後に言及されたのは、「巻き込むこと」と「マウントすること」の違いです。

地域に新しく入る人は、客観的に地域の長短を捉えやすいのが強みになり得ますが、客観的に捉えるが故に、時に地域の課題を一般的なものや安易なものとして捉えてしまうこともあります。表面的な部分だけを捉え、それに自分のやりたいことを載せて届けてもそれは地域の人々にとってはただのマウントでしかありません。

「巻き込む力」とは、事業に熱意を持っているだけでなく、その地域や地域住民を愛し、尊敬の念を持ってはじめて生まれるものです。特に、相手と異なる意見を伝えたい時にこそ、相手を尊敬する心を持つことが大切です。それが欠けているとどうしても自分の意見を押し付けるように、相手は受け止めてしまいがちです。

 

そうした意味で、自分のやりたいことを常に100%通すのではなく、みんなが得することをバランス良く散りばめる必要があるという入川さん。

「人に依存しない事業を立ち上げたいなら都会ですればいい。地域で事業を立ち上げるのならば人に依存しないと。そのためにはまず自分が地域を愛し、そこに暮らす人々を愛することからスタートする。その地域にどういう人々が暮らしたり関わったりしていて、どういうものを必要としているかを見極めることが大切。地域のニーズにフィットしなければ、リソースの無駄遣いとなり、地域住民の地域に対する誇りをも削ぐことになってしまう。地域で事業を立ち上げるということは、その責任を負うということ。」とのお言葉。

地域の人々との対話を重ね、自分のやりたいことと、地域の人の想いや願いが重なる部分を選択していくことが、地域での事業の立ち上げに成功するカギになる、とのことでした。

 

 

ここで1時間程のお昼休憩。
メンタリングを受けた2人は午前中のフィードバックをすぐさまプランに反映すべく、各自でブラッシュアップに取り組みました。そのほかのメンバーは、各自の事業紹介や入川さんの日頃の活動の様子についてお話を伺いました。

 

再開後、2人が再度プレゼン。
2人ともコンセプト部分の「想い」が具体的になり、ぐっと分かりやすく、話に引き込まれやすくなった印象を受けました。

入川さんからは更なるブラッシュアップに向けたフィードバックと、「資料がどれだけキレイでまとまっていても内容が相手に伝わらなければ評価は0。ビジネスプランももちろん重要、だけどそれ以上に南三陸や相手への想いも大切にしてほしい」と、熱いメッセージをいただきました。

 

また、セッションの前日に、FSC認証の森、ASC認証の牡蠣、ひころの里、さんさん商店街、ハマーレ歌津など町内をぐるっと視察され、地域の立役者の方々からお話を聞かれていた入川さんから、南三陸という町全体のブランディングの可能性についてもコメントをいただき、それに対する考えや1日を通して得た学びを全員で共有し、セッションは終了となりました。

 

 

「自我(自分から見えている自分)と人格(他人から見えている自分)の2つをぐっと擦り合わせるのがメンタリング」という入川さんの言葉のとおり、一連のやりとりを通じて、メンタリングを受けた2人それぞれの事業計画と本人自身に対する理解を皆で深めることができました。2人に対するアドバイスの中には、聞いている側も学べる要素が多く含まれていました。南三陸町内の方々とどう協働していけそうか、どう地域の課題を特定し解決方法を導き出していけそうかなど、自分の事業と、そして地域と、向き合う姿勢を見直すきっかけとなったセッションでした。

 

fin.