2020/10/3「事業と地域の未来を重ね合わせてみよう」

受講生の伊藤です。

今期3回目のセッションとなる今回は、事業と地域の繋がりについて、南三陸の企業の事例を伺ったり、自分で言葉にしながら考えていきました。

 

⚫︎ゲスト:

山内 淳平 氏(株式会社ヤマウチ 取締役)
山内 幸治 氏(認定NPO法人ETIC. 理事・事業統括ディレクター)

⚫︎ゴール:

・ミッションと、その背景にある自分起点のストーリーが言語化できている
・事業を通じて、地域の力がどう高まるか?言語化できている

⚫︎タイムライン:

13:00 今日のゴール・進め方の説明
13:05 ゲスト紹介
13:10 受講生自己紹介
13:15 山内淳平さんゲストトーク
13:45 Q&A
14:00 休憩(淳平さん退室)
14:05 受講生プレゼン
16:05 今日の感想&ネクストアクション共有
16:20 山内幸治さんよりコメント
16:30 終了

 

 

まず、事務局ESCCAの鈴木麻友さんから、ご挨拶と今回のセッションについて説明がありました。続いて、今回のゲストである山内淳平さんと山内幸治さんの紹介をしていただき、受講生も自己紹介と現在取り組んでいることを簡単にお話しました。
そして早速、山内淳平さんのゲストトークへ。

 

 

ゲストトークは、淳平さんのご経歴から始まりました。南三陸で生まれ、南三陸で育った淳平さんは、当初はなんと音響関連の道を目指して東京に進学されたそうです。その後東京での色々なご縁から食の業界に入り、南三陸に戻ってきて家業である株式会社ヤマウチで働き始められました。

続いて、震災をきっかけに、現場でのお仕事から商品開発など営業のお仕事をするようになったお話をしていただきました。淳平さんは、震災後、ビジネス講習などで多くの人々と出会ったことで刺激を受け、仕事にそれまで以上に真剣に向き合うようになり、この時期にご自宅も建てられ、南三陸に腰を据える覚悟をされたそうです。お家を建てられた際には、自分のやりたいことが食関連であること、そして、様々な人に話を聞きにいって刺激を受けることが好きであること、さらに当時すでに部下の方々がいらっしゃったこともあり、ヤマウチでの営業のお仕事をしていくことを決められたそうです。

その後、ヤマウチの歴史ある商品「しっかり朝ごはんシリーズ」と、ここ数年のうちに開発された「パプリカと牡蠣のピクルス」と「鯖の冷燻」について、それぞれの開発ストーリーやヤマウチの商品開発への想いを語っていただきました。

 

「しっかり朝ごはんシリーズ」は、今となってはヒット商品として多くに人々に知られ愛されています。
しかし、約20年前の発売当初は、真空パックの焼き魚はまだ一般的でなく、8年ほど苦しい時期が続いたそうです。その後震災前後に水産庁で「ファストフィッシュ」という言葉が使われるようになってから人々に受け入れられるようになり、売り上げも伸び、現在は海外でも販売されているとのこと。売り上げが伸びてからも、マイナーチェンジを繰り返し常に商品を磨き続けているというお話からは、ヤマウチのお客様に対する誠実な姿勢を強く感じました。例えば、98%の商品には添加物が使われていないことや、地域の食材をできるだけ多く使うようにしていること、お客さまが見た時に中身が分かるパッケージを意識していること、毎日商品の味をチェックしていること、など商品開発へのこだわりを話していただきました。

 

「パプリカと牡蠣のピクルス」は、2018年に、大学生のインターン生と一緒に一から開発に取り組んだ商品です。
ペルソナやコンセプトづくりなど、マーケティングの手法を使って商品を作り上げ、初年度の滑り出しは上々だったそうです。しかし、原材料の産地を宮城産にこだわるがゆえにパプリカやカキの旬を考えると製造できる時期が決まっており、その時期と商品が売れる時期が合わずに在庫を抱えてしまうことから、現在はあいにく販売休止となっています。これから改善していく部分についてもお話していただきました。

 

「鯖の冷燻」は、「パプリカと牡蠣のピクルス」を開発した後、2019年に社内で立ち上がった商品開発部でつくられた商品です。
既に社内にあった技術とトレンドを掛け合わせ、試作を30回以上繰り返されたお話や、パッケージの表記にお客さまが味を想像しやすいような表現を使ったことなどのお話をしていただきました。

 

 

3つの商品開発の事例についてご紹介いただいた後、Q&Aへ。

ここでは、初期投資のタイミングや淳平さんが大切にしている想いを語ってくださいました。淳平さんの「お客様のためにならないことはしない」という想いとその例からは、「しっかり朝ごはんシリーズ」の事例からも感じた、お客様に対する誠実な姿勢を改めて実感しました。

最後に、ヤマウチの事業と南三陸町との接点についてのお話をしていただきました。淳平さんの「海のものでも山のものでも地域の食材を使っていきたい」という想いや、「地域に恩返しをすること、地域を盛り上げることは社長も重視していて、お祭りやイベントなどを通じて町外の人々にこの町に来てもらったり関心を持ってもらうことを熱心にやってきている。その姿勢は自分たちも引き継いでいきたい」という想いも語っていただきました。

さらに、地域を盛り上げていくための若者に対する取り組みについて、田舎の仕事には単純労働のイメージが強いかもしれませんが、ヤマウチではデザイン部などを持ちクリエイティブな仕事を生み出していることや、リモートで働くことのできる体制も整え始めていらっしゃるお話をしていただきました。

 

 

後半は、もうお一方のゲスト、山内幸治さんにバトンタッチをして、受講生ひとり30分ずつ、各自構想中のビジネスについて発表し、幸治さんや他の受講生からフィードバックをもらいました。

各自の発表では、ミッションとストーリー、商品像、ターゲット、価値、事業を通じて地域の力をどう高めるかについて、現段階で考えていることと悩んでいることを話しました。

 

 

フィードバックの中では、「すべて0からでなく、地域に既にある動きや繋がり、機会、資源などを活かして連携していくといい。そういう活かせそうなものや繋がりたいと思っているものはあるか。」などの問いかけをしていただいたことで、より深く自分の事業について考えることができました。また、「誰にとってのどんな価値になっているのか」を言語化することの大切さを教えていただき、その上で、来てほしい人を具体的に30~50パターン挙げてみることで創りたい世界のイメージの解像度を上げてみてはどうか、というアドバイスもしていただきました。

また、幸治さんのコメントで「南三陸自体が循環型の社会としてブランドを作っている。そういう背骨があると、色々なことが起こしやすくなってくる。」という言葉が印象的でした。

 

セッションの最後に、今回のセッションを踏まえて受講生ひとりひとりが次回に向けてどんなことができそうかを発表しました。

ここでは、「ターゲットや価値観の解像度を上げていきたい。」「ヤマウチの商品のように、すでにある商品でもお客さまにもっと喜ばれるためにどうしたらよいか、戻して考える癖をつけたい。」「自分の得意な角度から、この町の役に立てるように、そして、地域の素敵な人々を守れるように、色々な角度から検証しながら実を結べるようにしたい。」などの声がありました。

そして、事務局のインターン生である高橋侑也さんと山内亮太さんと、最後に改めてゲストの幸治さんからコメントをいただき、事務局の鈴木さんから今後の流れを簡単に共有していただいて、セッションを終了しました。

 

 

今回のセッションでも、積極的にゲストに質問したり、受講者同士でもコメントし合ったりして、時々笑い声も聞こえる温かい空気が流れていました。さらに、受講生それぞれの事業が「食」や「農」などで重なる部分もあり、今後の事業同士のつながりにもわくわくしました。

 

fin. (文:Sessions受講生・伊藤夏実)

 

本プログラムSessionsは、南三陸町創業支援事業の一環として株式会社ESCCAが企画・運営しています。
2020年度は計9回のセッションを開講予定です。 
また当社では随時、創業や企業内での事業開発に関する個別の相談も受け付けています。 
お問い合わせは<info*escca.jp>より、お気軽にお寄せください。(*を@に置き換えてください)