2020/11/5「資金の出し手の視点とは?」

受講生の伊藤です。

今回は、創業計画書の重要性に焦点を当て、資金の出し手の視点や、融資・補助金など活用できる制度について学びました。

 

⚫︎ゲスト:

森 秀晃 氏 / 日本政策金融公庫 石巻支店 国民生活事業 融資課長

佐藤 守謹 氏 / 南三陸町 商工観光課

⚫︎ゴール:

・資金の出し手の視点に沿って、自らの事業を多角的に見る目・伝える力を養う

⚫︎タイムライン:

18:30 個別のQ&A
18:50 今日のゴール・進め方の説明・ゲストの紹介
18:55 受講生自己紹介
19:00 創業計画書の重要性や日本政策金融公庫の融資制度のご紹介(金融公庫・森さん)
1)日本政策金融公庫について
2)金融公庫の創業支援
3)創業計画書の重要性
4)創業計画書作成のポイント
5)創業にあたっての基礎知識
6)主な創業者向けの融資制度
7)融資のお申込手続き

19:45 休憩

19:50 起業支援補助金等のご紹介(南三陸町商工観光課・佐藤さん)
20:05 Q&A
20:15 感想・ネクストアクションの共有
20:25 次回案内、終了

 

まず、事務局ESCCAの鈴木麻友さんから、ご挨拶と今回のセッションの趣旨について説明がありました。続いて、ゲストの森さんと佐藤さんについて鈴木さんから簡単に紹介していただいたあと、受講生は一人ずつ簡単な自己紹介と聞いてみたいことを共有しました。

 

前半は、日本政策金融公庫の森さんから、金融公庫の創業支援や創業計画書の重要性と作成のポイント、融資制度について教えていただきました。

まず、金融公庫について。ここでは、融資の対象企業や担保、創業支援などの説明をしていただきました。
金融公庫では、融資先のほとんどは小規模企業や個人企業であり、信用金庫や他の銀行と比べると融資額は小さく、無担保融資の割合も高いことが特徴です。つまり、これから事業を始めていく私たち受講生のような人でも活用しやすい融資ということ。「融資」と聞いて少し身構えてしまっていた私も、自分事として考え始めることができました。

また金融公庫では、融資だけでなく、創業前から創業後にかけての創業者支援も行っており、具体的には、ワークショップや創業セミナー、女性・若者向け創業相談などを行っています。

 

 

続いて、創業計画書について、その重要性と作成時の4つのステップ、準備すべきことを説明していただきました。

まず、創業計画書の重要性として、これを作ることにより、自分が考える事業構想を整理して、事業化するための課題とやるべきことを明確にすることができる、つまり、創業計画書は自分自身のために作るもの、ということをお話してくださいました。

「創業計画書」と聞くと、融資または出資を受ける際や、取引先、家族、仲間に理解してもらうために作成するもの、というイメージが強いかもしれません。しかし、資金と協力者を集めることができたとしても、事業がうまくいかずに失敗してしまうことも多く、実際に事業計画書を作成した方が創業後の業績が良い、というデータもあるそうです。
創業計画書は、自分自身がどれだけ考えて、どれだけ腑に落ちているのかが重要であり、「形式」ではなく「中身」が重要だ、ということを学びました。

 

次に、創業計画書を作成する時の4つのステップとして、

①全体の構想、事業イメージを固める

②具体的な事業内容を詰める

③創業時の資金計画をつくる

④収支計画・返済計画をつくる

について、それぞれ受講生の事業を例に挙げながら、丁寧に解説していただきました。

ステップ①は、事業全体の構想や事業イメージを固める段階です。このSessionsでは、過去4回のセッションや事務局との個別相談の時間を通して創り上げてきました。

ステップ②では、さらに自分のやりたいことを事業に落とし込み、「どのようなテイストのお店にしたいのか」「課金はどうするのか」など具体的に考えます。すると、必要な費用のイメージがつきやすくなり、ステップ③の資金計画を立てる段階へ。ここでは、自分たちで用意できる資金と借りることができる資金で、自分がやりたいことをどれくらいできるか、また、どのくらいが現実的なのかを考えていきます。

ステップ④は、ステップ③までをふまえ、その事業にどのくらいの費用がかかり、それを補うためにはどのくらいの売り上げが必要なのか、収支計画、返済計画を立てる段階です。売り上げは、店の雰囲気やお客さんの数、単価、何回転できるのかなどによって変わるため、ステップ②の具体的な事業内容も考慮に入れて考える必要があります。また、売り上げ高は過大評価しがちであり、反対にコストは過小評価しがちであるため、客観的に予測し、慎重に見積もる必要があること教えていただきました。

そして、これら一連の流れで大切なことは、ステップ①~④までを繰り返し確認し、矛盾がなく精度が高いものに仕上げていくことです。

 

創業計画書を作成するにあたり重要となる準備については、

(1)情報収集

(2)弱点の理解と克服

(3)従業員の確保

(4)家族のサポート

の4つをあげ、情報の不足が事業イメージの過大評価につながること、弱点は成長のボトルネックとなること、万が一に備え、代表者がいなくても事業を回していけるような体制を整えること、家族の理解を得る大切さについて教えていただきました。

ここでも、受講生の事業を例として解説していただいたことで、受講生たちは考えるべきポイントの具体的なイメージをつかむことができたのではないか思います。

(1)情報収集については、「今どんなフルーツが人気なのか」「これからどこの国の料理が人気になりそうだ」といったことを調べ、その上で自分が何を中心に訴求するかを決めることが大切であることを学びました。

(2)弱点の理解と克服については、自分の弱点が何かを理解し、それが得意な人に補ってもらうことで弱点を埋めていくことが事業の成長につながること、具体的には、「インターネットで集客することについてよくわからない場合、それに詳しい人をスタッフとして迎え入れる」「接客が苦手なら、接客が上手そうな人を連れてくる」「お金回りのことが得意でないなら、身近に任せられる人がいるか考える」などの例を挙げて説明していただきました。

(3)従業員の確保と(4)家族のサポートについては、創業時には人件費削減のため、経営者が一人で頑張ることが多いが、その場合、経営者が倒れたり病気になったりするのが一番のリスクであり、健康・体調の管理だけでなく、何かのときに代表者がいなくても事業が回せるくらいの体制を整えることが大切であること、さらに、家族の理解を得て協力をしてもらえる体制を整えておくことが大切だと学びました。

 

最後は、融資について。

創業者向けの融資制度としては、「新規開業資金」や「女性・若者・シニア起業家資金」、法人の場合の「新創業融資制度」などについて、その対象や融資額、返済期間、利率などを説明していただきました。

Q&Aでは、受講生から融資に関する質問があり、それに答えていただきました。そして、今後、創業相談や融資の申し込みをする際の連絡先と、その後の流れを共有していただき、前半は終了しました。

 

 

休憩をはさみ、後半は、南三陸町商工観光課の佐藤さんから、起業にまつわる補助金について、お話していただきました。

 

 

南三陸町では、地域の活性化や雇用の創出を図ることを目的に、地域資源を活用した事業を立ち上げる人に向けた「起業支援補助金」が用意されています。
2010年に設置されたこの補助金は、宮城県内の他の自治体と比較して限度額が大きいことが特徴で、50万~250万円の限度額を設けている自治体が多い中、南三陸町では300万円の限度額を設けています(2020年時点)。これまでに約40名が利用しています。
ここでは、起業支援補助金の交付要綱に沿って、利用できる条件、対象経費(補助金の内容)、限度額、どうやって受けられるかなどをわかりやすく説明していだだきました。

さらに、宮城県の「スタートアップ加速化支援事業」について、その条件と内容、対象となる人についてお話していただきました。

南三陸町・起業支援補助金
https://www.town.minamisanriku.miyagi.jp/index.cfm/8,29570,39,198,html

宮城県・スタートアップ加速化支援事業
https://www.joho-miyagi.or.jp/startup

 

その後、Q&Aへ。

ここでは、受講生のうち南三陸町在住のメンバーの事業に対して受けられる補助金について、対象となる業種や開業とみなされるタイミングなどを佐藤さんに伺いました。また、これまでに南三陸町の起業支援補助金を利用した方の業種は多岐にわたり、飲食や民宿、水産の仲卸、惣菜の移動販売などがあることをお話していただきました。

 

セッションの最後に、感想とネクストアクションの共有を行いました。

受講生からは、「これまで創業計画書から逃げていたが、自分自身のために作成すると知り、計画を立てて今日教えてもらった4つのステップを繰り返そうと思った。」などの感想や、ネクストアクションとして、「今は、漫画家の力を借りて協力者に自分のやりたいことを分かりやすく説明できるように準備している。近いうちに公表したい。」「LINEのビジネスアカウントの申請が通ったので、顧客リストを作りたい。」などの声が聞かれました。

最後に、事務局の鈴木さんから次回の案内を簡単に共有していただき、今回のセッションはクロージングしました。

 

今回のセッションでは、特に南三陸町在住の受講生が考えている事業の実現に向け、他の受講生からもゲストに対して質問する場面が多くみられました。自分の事業のことだけでなく、チームメンバーの事業も考え切磋琢磨する様子を見て、今回のSessionsでこの仲間たちに出会えたことに喜びを感じるとともに、もっと切磋琢磨していけるようにしたい、と思いました。

次回のゲストは、8月に行われた初回でチームビルディングワークをしてくださった島崎湖さんです。約2か月でさらに強くなったチームの絆を感じてもらうのが楽しみです。

 

Fin. (文:Sessions受講生・伊藤夏実)